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群馬の技一番
所在地  前橋市
受賞年度  令和元年
掛け軸、額、襖、内装など表装全般に高度な技能を有する表具師である。特に、書画や版画のシミ抜き補修作業に卓越しており、歴史的価値の高い地籍図の修復に長く携わった実績を持つ。失敗できない作業であるが、その技能の高さから、多くの顧客から信頼を集めている。
表具師
藤橋 登
さん

表具師への道


100年以上続く表具屋の三代目ということもあり違和感なく自然に表具師という仕事に就いた。技は見て盗む時代で、どうすればきれいに修復や裏打ちができるか考えながら経験を積んだ。卒業した前橋工業高校で建築設計の知識を学んだことは表具師の仕事においても生かされている。また、学校の仲間たちの中には、家業の大工を継いだ人もおり、一緒に仕事をすることも多い。

古書画の修復


藤橋さんは群馬県立文書館の明治初期の地籍図の修復にも貢献している。約1,700点ほどの修復を行うため自身の店では作業ができず、文書館北側に建てたプレハブで作業を行った。また、すべての修復には6人ほどで15年以上も要した。明治初期の地籍図が県内のほぼ全域にわたって現存しているのは他県でも例がない上、保存状態は極めて悪く、藤橋さんの高い技能により修復が実現されたものである。

若年者への技能振興


「ものづくりスタジアムin群馬」や「ものづくり体感事業」では、県内各地の小学生等を対象にからくり屏風の製作体験を行うなど、子どもたちに表装技能の楽しさを伝えている。

また、技能士会青年部を対象とした、「伝統技法による和紙の壁貼研修会」においては、若手技能者に対して和紙の貼り方やまくら屏風の製作などに関して指導を行っている。

社会貢献活動


特定非営利活動法人「群馬文化財修理修復所」において、平成26年まで活動し、文化的価値の高い掛け軸、屏風等の修理に取り組んだ。

また、邑楽町出身の書家である岡部蒼風氏とともに書、絵画、陶芸、版画などジャンルにこだわらない展覧会を前橋市内で計19回開催し、表装についての啓もう活動を行うなど、社会貢献活動にも力を入れる。
・仕事が忙しいと組合の研修等へ参加ができないこともあるかと思うが、人脈をつくるよい機会なので、そのような活動にも力を入れてほしい。