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群馬の技一番
所在地  桐生市
受賞年度  平成30年
古くからの絹織物の産地・桐生において、意匠・下絵描き・縫い・括り・染色・糸解き・整理仕上げの全ての工程の技能に精通し、現在も着物地製作を行う唯一の職人である。特に、異なる絞り技法を二重三重に染め重ねる技能は他に類を見ない。
染物職
泉 太郎
さん

織物の道


泉さんは大学卒業後自動車部品を作る鉄鋼会社に入社したが、「一からのものづくりをしたい」と、同年に家業である織物の道に進んだ。泉織物の着物は冠婚葬祭用ではなく、絹100%の高品質で、最新の流行を取り入れたファッションとしての着物である。着物や帯の生地を織り、絞り、染めるまでの工程を一貫して手がける。生地から一貫して作る工法であるため完成品は一本筋が通ったものとなる。

ものづくり日本大賞


県繊維工業試験場との共同による、「群馬県産太繊度糸(ふとせんどし)を効果的に利用した表情豊かなシルク製品の開発」では、「第6回ものづくり日本大賞」伝統技術の応用部門で優秀賞を受賞している。古代織物である「あしぎぬ」を再現した糸を用い、現代の生活様式に合う着物や帯などの製品を制作した。「あしぎぬ」は桐生で織物がつくられた最古の記録が残る「続日本記」で朝廷に献上したと記載された古代の絹織物である。

着物を広める活動


泉さんは着物の良さを広める活動に力を入れる。年に1回地元の桐生市での展示会に出展し、地元の方々へのPRを行っている。また、平成31年3月には東京青山での展示会「2019桐生テキスタイルプロモーションショー」にも出展した。こちらは洋装の展示会であるが、一部和装のブースが設けられている。和装にあまり親しみのない方に対してのPR活動も重要である。

地域活動


伝統工芸士会において、桐生市内の17の小学校へ訪問し、機織りについて教えるとともに、着物は伝統的な意味のものだけではなく、ファッションでもあるということを教えている。また、富岡製糸場が世界遺産となった時期に、周遊ルートとして同社内に設置した展示室を開放し、桐生の観光都市としての魅力向上にも力を入れる。関東近郊からの観光客がメインとなるが、遠方から同社を目当てに観光に来る方もいる。
信念を持って自分の決めた道を貫き通すことで、必ず評価してくれる人がおり、成功を勝ち取ることが出来る。高い目標を持って、一直線に突き進んでもらいたい。