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群馬の技一番
所在地  前橋市
受賞年度  令和3年度
伝統的な竹垣製作や施工現場の気候風土に合わせた庭園の剪定整枝を得意としている。国指定重要文化財「臨江閣」の竹垣修復作業に携わったほか、群馬県緑化センターが実施する緑化講座で講師を務める。また、ものづくりマイスターとして技能五輪全国大会出場選手の指導、前橋高等職業訓練校の校長として訓練生への指導なども行っている。
造園
根岸 憲一
さん

植木職


根岸さんは中学卒業後、父親の取引先であった造園会社に就職した。就職当時のことについて「最初は給与3日分でようやく地下足袋を1足買えるほどの稼ぎだった。苦労はしたが、仕事をしていく中で造園業の面白さに気付き、早く仕事ができるようになりたいと思うようになった」と語る。その後、約10年間の修業を経て「根岸園芸」として独立した。

「最初は俺でいいのかなと思ったけど、地道にコツコツと仕事をしてきたことが評価されて嬉しい」と現代の名工の受賞を喜んでいた。

竹垣製作

臨江閣の建仁寺垣
臨江閣の建仁寺垣
根岸さんの経年劣化を計算に入れた竹垣製作技能は、多くの後進技能者の手本となっている。若竹と老竹では扱いが異なるほか、仕上がりや耐久性を見極めて加工するのは難易度の高い作業である。根岸さんはこれらを見極めながら、素材の特性を活かし仕上げる作業に高い技能を有している。11月から12月にかけて竹を切り出し、1月から2月にかけて施工するとよい竹垣に仕上がるという。

また、国指定重要文化財「臨江閣」の竹垣修復作業に携わった。作品は建築当時の風合いや形が忠実に再現されており、その仕上がりには高い評価が寄せられている。

庭の子守

イスノキの剪定作品
イスノキの剪定作品
根岸さんは、施工現場の気候風土に合わせた剪定整枝を得意としている。庭仕事を「庭の子守」という言葉で表現し、「庭は一度作ったら終わりではなく、経年によって徐々に変化していくので、管理しながら育てていくことに面白さがある」と語る。

群馬県での作業は空っ風の影響が大きく、高所で風に晒されながら作業するのは大変だったと語る。また、県内の同業者の方と定期的に情報交換を行っているが、県内でも西毛と東毛では、必要な技術が異なるのだという。

後進指導育成

技能五輪出場選手の指導
技能五輪出場選手の指導
根岸さんは前橋高等職業訓練校の校長を務め、校の運営に携わりながら、自らも指導員として剪定整枝の指導に当たっている。「指導員は基礎を教えることはできるが、コツを教えることはできない。コツは自分の手で試行錯誤しながら身に付けてほしい」と持論を語る。

また、平成25年度にはものづくりマイスターに任命され、高等学校の技能五輪出場選手の指導にもあたっている。ものづくりマイスターとしては、現場の視点を伝えることを大切にしている。後進指導育成に携わる中で、他の地方の材料を使用することがあるが、そのときは根岸さん自身も新たに学ぶことがあるのだという。
・良い庭を見て、好きになってほしい。好きになれば、早く上達する。

・最初からこの仕事が好きで、仕事を続けてくれれば嬉しい。

・自信を持って仕事をして、自信を持って請求書を出せるようになってほしい。