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群馬の技一番
所在地  東吾妻町
受賞年度  平成27年
セメントモルタル装飾技法(収縮が大きく、乖離、ひび割れが発生しやすい)において卓越した技能を有し、芸術性に優れた作品を多数生み出している。高度な美観と仕上げ技能では他の追随を許さず、文化財の修復においてオリジナル意匠そのままに復元し高い評価を受けている。また、地域自治体や、保育園、幼稚園等へ作品を寄贈し地域づくり、町づくりにも貢献している。
左官
中澤 眞澄
さん

左官職人として

家紋の装飾
家紋の装飾
米や果実などを栽培する農家に生まれた中澤さん。親の農作業を手伝いながら、15歳のときに左官の見習いとなった。14年間の厳しい見習い期間に親方から左官の基礎を学び、「農作業よりも、軟らかいものから形に仕上げる左官の道のほうがおもしろくなった。」と語る。昭和55年に中澤左官を設立し、独立した。以後三十余年にわたり、左官職人一筋としてその道を歩み続けてきた。特に漆喰彫刻、家紋や蔵の装飾については、仕上げの精密さに特に優れた技能を持ち、数々の美しい作品を手がけてきた。

全国大会で見事優勝

作業風景
作業風景
日本左官業組合連合会の全国左官技能競技大会は全国から一流の左官職人がその技を競う。中澤さんは、縁あって、全国左官技能競技大会に出場する選手の練習を見る機会に恵まれたが、その技能、スピードには「圧倒された」という。ちょうどその頃、技能検定1級に合格した中澤さんは、当時の県左官工業協同組合の理事長から「その大会に出場してみないか」と声をかけられた。中澤さんは、出場することを決意し、約3ヶ月間、猛特訓を重ねた。課題は2日間かけて作品を仕上げるもので、体力的、精神的にも過酷なものであったが、本番では、群馬県出場選手としては初めて優勝の栄冠を勝ち取った。昭和58年のことである。この技能競技大会で中澤さん以来、群馬県出場選手の優勝者はいまだいない。

「伊豆の長八美術館」

「伊豆の長八美術館」建設
「伊豆の長八美術館」建設
静岡県賀茂郡松崎町に「伊豆の長八美術館」がある。この美術館は、江戸時代の左官職人でこの地に生まれた「入江長八」の作品を展示する。この美術館建設には、全国各地から優秀な左官職人が集められ、そのうちの一人が中澤さんである。美術館正面の円形ドームの蛇腹施工には、中澤さんの卓越した鏝(こて)さばきがみられる。
また、文化財の修復も手がけ、登録有形文化財である群馬県庁昭和庁舎や群馬会館の改修工事にも携わり、館内の装飾についてオリジナル意匠そのままに復元し、高い評価を得ている。

左官業のために、地域のために

恐竜モニュメント
恐竜モニュメント
左官の技能を活かし、平成6年から15年間にわたり左官職種の技能検定委員、また、県左官技能士会副会長を歴任した。また、現在では、群馬県左官工業協同組合の副理事長として、県内の左官業のもり立て役もこなす。
また、地元の商工会に所属したときには、東吾妻町の郷原遺跡から出土したハート型土偶のモニュメントを設置したり、保育園には恐竜のモニュメントを作成し、寄贈するなど、地域への貢献も忘れない。
作業風景
「ものづくりは、簡単ではないが、楽しさを知ってほしい」

「ものづくりに誇りをもってほしい」

「ものづくりは奥が深い」