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群馬の技一番
技術の伝承 小暮さん

 

日本でのデコラティブペイント(装飾塗装)の草分け的存在である塗装工・木暮実さん。これまで壁に木や石の模様を描く従来の技法だけでなく、発泡スチロールを使った壁材や窓枠飾り、石柱・銅像などの立体造形物を作る独自の技法を確立してきた。現在は「下地作りの技術を備えた職人にこそデコペンを」という思いから、業界全体に技術を浸透させようと仕事の傍ら全国で指導を行っている。

 

そんな木暮さんは、2013年2月に日本塗装工業会・関東ブロック事業として開かれた「デコラティブ&モールディング塗装研修会」で講師を務めた。木暮さんと若手技能者に話を聞いた。

 

 

「既製品でなく、自分たちで作ったもので仕事をする」

 

今回木暮さんが指導したのは「エイジング技法」と「モールディング技法」と呼ばれる技法。前者は時を経たような風合いを生み出す技法で、後者は天井と壁の境目や窓枠にモールを使って装飾を施す技法だ。

素材・塗料の特性といった基礎的な説明から、素材の加工方法や付加価値を高める見せ方といった応用的な実技に至るまで幅広く指導を行う木暮さん。スポンジや画用紙を折り曲げたものなど、身近にあるもので特殊加工を施していく姿に参加者も興味津々の様子。

 

研修会の最後に木暮さんは「近くにあるDIYショップで手に入る素材で始められる。あまり難しく考えず、まずはチャレンジして欲しい」とエールを送った。